Magnolia

「あら？」
「どうなさったの？」

（リネンのシーツを両手に抱えた、二人の女中が足を止め可愛らしく囀る）

「アルトゥールさまだわ」
「え？…どちらに？」
「ほら、あそこよ」

（つい、と細い顎で促した先に見えるのは、美しく手入れされた庭園内にあるガゼボで）

「あら、本当」
「まだ陽も高いのに…」
「珍しいわね」
「ね」

「何をされているのかしら」
「読書ではないかしら？」
「アルトゥールさまですものね」
「ええ、アルトゥールさまですもの」

「…でも本当に」
「ええ、本当に」
「こうして見ている分には絵になりますわね」
「ええ、とても。…見ている分には」
「ええ、見ている分には、ですわ」

（二羽の小鳥は、互いの顔を見合わせくすくすと笑う）

「銀糸の御髪が陽光でキラキラと」
「あら、私は気怠げな姿勢も好きだわ？」
「穢れを知らなさそうなお姿も倒錯的ですわよね」
「ええ、見ている分には」
「でもお話をされると…」
「本の事ばかりですものね」
「今だって、ほら…」
「目で追われるのは、本ですものね」
「お顔は宜しいのに」
「ふふ」
「ふふふ」

「そういえば、聞きまして？　先日の夜会で…」
「ふふ、何時もの事でしょう？」
「ええ、何時もの事ですわ」

（くすくすと楽しげに笑い、話に花を咲かせあいながら、仕事へと戻っていく）



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アルさん家は、白いガゼボ。
お家自体真っ白。

因みにガゼボってこんなの↓

西洋風東屋ですね。

個人的には、蔓薔薇の絡んだ鳥籠風アイアンガゼボとかも好きです。
でも、アルさん…直射日光溶けちゃう…
あと、中の人が本に日光浴びせたくないのです。本が傷む！
駄菓子菓子！アイアンガゼボは下から見上げる空とアイアンと木々がまた美しい。
鼠海のガゼボも好きだなぁ…（´(ｪ)｀*）
あ、王国ホテルのコードガーデンのガゼボも好き…
まるでガゼボマニアのようだ。


アルさんは、本読んだままガゼボでお昼寝しちゃって、ばあやに怒られちゃえばいいんだと思う。