Magnolia

（真っ白、真白、真皓――）



――天国？



（目が覚めたら、そこは――）

あまりにも白さで目が眩んだので、天国かと思い呟いてしまいました。
後からよくよく考えてみたら、私が天国だなんて、柄ではありませんよね。
褒められた行いも、あまりしておりませんし。


真白の病室で、目が覚めたら……ノーラや、皆が、物凄く泣いていました。
私は頭が回らず、不思議そうに一瞥して笑って、またすぐに眠ってしまったようです。
私は、ノーラの顔を確認すると「おはよう」と言って笑った様で……
「おはようではありません、坊ちゃま」と後から怒られてしまいました。
……目覚めたのだから、おはようで良い気がします。
それにしても、酷い小言の嵐でした……済んだ事だし、私は平気だったのだから良いじゃないですか。

どうやら私は、ラビシャンの花の王宮で負傷して治療院へ担ぎこまれたようです。
暫くは安静にしないといけないそうです。


傷はスピカが直してくれてますし、血が足りていないだけで……私は元気です。
私よりも残された方々の方が、心配でなりません。
皆さん、元気でいらっしゃるのでしょうか――
身勝手な言い分だとは思いますが、どうかお気に病まないでください。








………………。
……つまらないな。
本でも読もうｋ……な、何をする、ノーラ！
本を、こら！　わ、私の本を取り上げるなど……っ　
安静にしていなければならないです？
ちゃんと安静にしているではないか！　私は一歩も動いていない。
本を持ってきてくれたのだって星霊だし、それに……もぐ。
…………。（口に押し込められたウサギさんリンゴをショリショリ）
……ノーラ！　私が口に物が入っていると喋らないからとっ
っ！！　本を……！？　…………っ！！！（口に押し込められたウサギさんｒｙ）
の……！　～～～～～～～っ！！（口に押し込められたウサギｒｙ）




（我が家の坊ちゃんは、使用人に世話を焼かれつつ元気です）